リース取引においては、賃貸処理で行うことができる場合があります。
中小企業の多くは、賃貸処理を行っています。
賃貸処理
リースで物件を導入する際に、所有権移転外ファイナンス・リース取引を行う場合、賃貸処理で行うことができる場合があります。
リース会計基準では、所有権移転外ファイナンス・リース取引について、少額リース資産の賃貸借処理が認められています。
また、中小企業は、中小企業会計指針に従い、これまで同様、所有権移転外ファイナンス・リース取引を賃貸借処理できます。
リース会計基準
リース会計基準では、所有権移転外ファイナンス・リース取引が次の要件のいずれかにあたる場合には、賃貸借処理ができます。
重要性の低い資産に関して、購入時の費用処理がなされていて、個々のリース物件のリース料総額が基準額以下である場合で、かつ期間が1年以内の場合、企業の事業内容からみて重要性の低いリース取引で、リース契約1件当たりのリース料総額が300万円以下の場合のいずれかの場合には、賃貸借処理ができます。
中小企業の会計処理
中小企業の場合には、若干異なります。
中小企業は、中小企業庁、商工団体などが作成した中小企業の会計に関する基本要領にしたがって、リース取引に係る借手は、賃貸借取取引又は売買取引に係る方法に準じて会計処理を行う」こととされました。
実際に、中小企業のほとんどは賃貸借処理をしています。
会社計算規則
会社計算規則で、会計監査人設置会社や公開会社は、注記表を作成することが義務となっています。
そして、ファイナンス・リース取引で賃貸借処理を選択した場合、リースする固定資産に関して注記を付けるることが義務付けられています。
注記には、貸借対照表、損益計算書の欄外に会計に関する情報を示すことで、株主や債権者に対して情報を開示する意味があります。
税制の扱い
税制において、会計上、リースを賃貸借処理した場合、リース料は償却費として損金経理した金額に含まれます。売買処理では必要とされる減価償却の記載は、賃貸処理では、記載は必要ありません。
消費税の扱いは、賃貸人から賃借人へのリース資産の売買として扱います。
この点は、売買処理と賃貸処理とで違いはありません。