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リースの流れ

ファイナンス・リースを行う場合は、リース会計と税制について、リース期間定額法に従って行われます。
会社の資産に比例して、リース資産の総額が低い場合は、簡便な会計処理を利用できます。

ファイナンス・リースの場合


所有権移転外ファイナンス・リース取引でリースした場合を例に説明していきます。
ユーザーは、所有権移転外ファイナンス・リース取引について、次の条件で取引を行ったことにします。
まず最初に、リース債務の返済に関してスケジュールを作ります。
その際には、リースにかかる利息を利息法で計算します。
リース資産の減価償却はユーザーが行います。
計算は、リース期間定額法に従います。
リース会計基準では、所有権移転外ファイナンス・リース取引では、簡便な会計処理が認められることがあります。
つまり、ユーザーのリース資産総額の重要性が乏しい場合、簡便な会計処理ができます。

簡便な会計処理

簡便な会計処理には、2種類あって、リース料総額から利息相当額を控除しない方法と、利息相当額を定額法により配分する方法のどちらかを選択します。
リース料総額から利息相当額を控除しない場合は、リース資産、およびリース債務をリース料総額に計上します。
ただし、支払利息を計上せずに、減価償却費のみを計上します。
利息相当額を定額法により配分する場合、リース資産、およびリース債務は、原則法同様に計上します。
しかし、利息相当額の定額配分なので、利息法での計算は必要ありません。
リース資産の減価償却は、リース期間定額法でユーザーが行います。

通達から法令でのリース税制へ

最近まで整備されていなかったリース税制は、平成10年度の税制の改正によって、ようやく整備されました。
今では、法人税法がリースの取引を規定しています。

税制の不備

実は、リース関係の税制は最近まで整備されていませんでした。
平成10年度の税制改正で、「法人税法施行令」に、「リース取引」の規定が設けられるまでは、通達しかなく、国税庁長官通達で定められていました。
それには「リース取引に係る法人税及び所得税の取扱いについて」と、「リース期間が法定耐用年数よりも長いリース取引の税務上の取扱いについて」の2つの種類がありました。
これらの2つの通達が、リース取引に関する税務上の取扱いを規定していました。

税制の整備


しかし、リース取引の税務上の扱いが法的な根拠がないのは問題であるとして、平成10年度税制改正で、ようやくリース税制が法制化されています。
すなわち、国外にあるリース資産の減価償却方法を規定すると同時に、法人税法施行令でもリース取引を規定しています。

法人税法で規定

さらに、平成19年度税制改正で、リ一ス会計基準と税務との調整を図り、法人税法がリース取引を規定しました。
リース税制において、「リース取引とは、資産の賃貸借で、賃貸借期間の中途において解除をすることができないもので、賃借人が賃貸借に係る資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受することができると同時に、資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているもの、という要件をいずれも満たす取引のことをいいます。
これは、ファイナンス・リース取引にあたります。
リース税制は、リース取引を「所有権移転リース取引」と「所有権移転外リース取引」に分類します。
ユーザーは、所有権移転外リース取引のリース資産について、リース期間定額法にしたがって減価償却を行います。

消費税の取扱い

リース取引の消費税では、法人税と同じように、賃貸人から賃借人へのリース資産の売買とみなします。
つまり、ユーザーはリース取引をはじめた時点で、リース料総額でリース資産を譲り受けたと処理され、リース料総額にかかる消費税額を仕入れに係る消費税として処理します。

リースの会計基準

リース会社の会計処理はリース会計基準で行われています。
上場企業においても、リース取引の会計処理をリース会計基準に従って行っています。
リース会計基準は、それぞれの会計処理方法が定められています。
企業会計基準委員会は、平成19年3月にリース会計基準を公表しました。
このリース会計基準にしたがって、上場企業などの会社は、リース取引の会計処理を行います。

会計基準


リース会計基準では、リース取引は、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類されます。
ファイナンス・リースは、所有権移転ファイナンス・リースと所有権移転外ファイナンス・リースに分類されます。
そして、ファイナンス・リース取引以外のリース取引がオペレーティング・リースに分類されます。
ファイナンス・リースの会計処理方法は、売買処理をしますが、少額リース資産においては、賃貸借処理をすることができます。
また、オペレーティング・リースについては、賃貸借処理になります。

ファイナンス・リースの取引

ファイナンス・リース取引は、リース期間途中に契約解除できないリース取引や、リース物件からの経済的利益を実質的に享受でき、リース物件の使用に伴って生じるコス卜の実質的な負担になるリース取引の要件を備えたリース取引です。

所有権移転と所有権移転外

ファイナンス・リースは二つに分類されます。
所有権移転ファイナンス・リース取引と所有権移転外ファイナンス・リース取引です。
所有権移転ファイナンス・リース取引は、讓渡条件付リース取引、割安購入選択権付リース取引などです。
所有権移転ファイナンス・リース取引以外が、所有権移転外ファイナンス・リース取引です。
なお日本のリース取引は、所有権移転外ファイナンス・リース取引が中心です。

製造業のリース

製造現場でもリース取引が積極的に行われています。

特に、期間が決められているような工事をする場合だと、毎回今回の工事にしか使わないような工事用機械を購入することは、会社の経費がかさむことになります。

そのため、リースを活用して、経費削減を図るのです。

工場全体のトータルエネルギー削減

製造現場は多くの場合、それだけで独立した会社があるのではなくて、大きな会社の製造部門として工場を持っていることも少なくないのではないでしょうか。

昨今の会社には、会社の規模が大きくなるにつれて、求められる社会的責任は大きくなってきます。

もちろん、環境に配慮した生産を行っていることをアピールすることが、企業のイメージアップにもなります。

そのため、できる限り使う期間を効率的に使いたいものです。

工場における消費エネルギーの多くを負うのが、車両や重機といったものです。

1日ごとの消費エネルギーの差は微々たるものであったとしても、長期的な目線で見ると、電気やガソリン等の消費量やCO2の排出量は大きく変わってきます。

必要な時に、必要な設備を導入することこそが、エネルギー効率を高めることになるのです。

リース取引にかかわる税

ここでは、リース契約にかかる税制について説明します。

リースには様々な種類の税が関係しますが、基本的に税がかかわるのは物品の所有者であるリース会社のみです。

しかし、リースにどのような税がかかっているのかを知ることで、リースを利用する料金の内訳に税がかかわっていることを理解することができます。

法人税か、所得税か

リース会社が組織か、個人事業者かということによってリース取引が、法人税か所得税の取扱いになることがわかります。

会社組織の場合には、リース契約に法人税がかかわることになります。

また、リース会社が組織ではなく、個人で設立されたものなら、かかる税は法人税ではなく所得税になります。

消費税

リース取引をする物品には消費税がかかります。

リース料金の総額に消費税がかかったものを、ユーザーは支払わなければなりません。

固定資産税か、自動車にかかわる税か

リース契約期間中に、物品がユーザーの手元にあっても、リース会社が物品の所有者です。

物品の所有者には、地方自治体から固定遺産税がかかります。

この時、リースの対象物が自動車の場合、かかる税は固定資産税ではなく、自動車税、自動車所得税、自動車重量税になります。

また、リースの対象が自動車の場合の中でも、軽自動車の場合、自動車税が軽自動車税に替わります。

家具のリース

昨今、会社のほとんどの設備をリース契約によって賄うことができるといっても、過言ではないでしょう。

社用車、パソコン、コピー機、ソフトウェアなど、使用目的や使用頻度はまちまちです。

欧米では以前から浸透しているインテリア・リースですが、日本でも大いに普及する可能性があるのではないでしょうか。

廃棄処分の費用や手間を削減

オフィス家具を一からすべて購入するには、資金面で負担が大きくなります。

その他、リース契約を結んだ家具を使用すると、契約期間が切れた後の家具の処分に困ることがありません。

通常、自分で購入した家具を廃棄処分しようとすると、多くの手間と時間がかかってしまいます。

家具の廃棄とかかわるのが、廃棄物処理法です。

これは、一般家庭からの廃棄物と事業所からの廃棄物は分けて処理責任を課しています。

オフィス家具は産業廃棄物という分類ですが、自分で処理するか、処理業者に業務委託しなくてはなりません。

ですが、リース取引の家具だと、契約期間が切れた家具はリース会社の責任の下、処理されます。

そのため、廃棄するときにかかるお金と手間を抑えることができるのです。

ベンチャー企業のオフィス開設にも

オフィス開設には、電話やインターネット環境といった設備投資をする必要があるほか、ある程度の社員がいる場合には、経営者は社内環境の整備にも気を配らなくてはなりません。

しかし、ベンチャー企業で、会社を設立してそれほど間がない状態だとしたら、家具にそれほど多くの資金をつぎ込むわけにはいきません。

そのため、購入だけでなく、リース取引を積極的に使うなどして、限りある資金を有効に使うようにしましょう。

医療機器のリース

医療の現場でも、機器のリース取引が使われていることをご存知でしょうか。

リース契約を結ぶことによって医療現場に設備を導入するのはなぜでしょうか。

その理由を資金面と、医療技術を向上させるために分けて考えてみましょう。

資金的な問題を解決

医療機関のビジョンを実現するためには、医療機器の導入や更新が必要な場合があります。

しかし、新しい医療サービスの構築や病院経営の改革を図っていくうえで、問題なのが資金面です。

病院の患者にとっての満足度を上げるために、最新の医療機器を導入したいけれど、最新型は高額で支払う余裕がない、ということを解決するためにリースを活用するのです。

医療機器の購入額はとても高額です。

例えば、人体を断面状に見て、異常を発見することができるMRIは1台約2億円と、非常に高価です。

契約期間中にずっと使用料を支払い続ける必要はありますが、購入時に一括で支払うよりも一時的な負担を減らすことができます。

医療技術を向上させるため

医療現場では日々技術の進歩によって、過去にできなかったことが現在にはできるようになっていることが数多くあります。

技術を進歩させるために欠かせないのが、最新の医療設備の導入と更新です。

数年前に使っていた機器よりも、性能のいい設備が登場することもあるのです。

そのため、本当に質のいい医療を提供することを考えたら、数年ごとに機器を買い替える必要があるのです。

しかし、そのすべてを新品で購入すると、莫大な費用も手間もかかってしまいます。

その点、リース契約を結んでいれば、数年の契約期間を経て、繰り返し最新の医療機器を導入することができるのです。

自動車のリース

会社でも個人でも車を使う必要が生じたとき、自動車をリース取引で調達することは少なくありません。

なぜ、日常の足に使うものを購入するのではなく、リース契約で手にいれるのでしょうか。

ここでは、その理由と、自動車をリースしたほうがいいメリットを説明します。

法人利用は節税目的

社用車をリースしている会社も少なくありません。

例えば、営業回りをするときに使う自動車はどうでしょう。

海外企業では、社用車をリースして、その車を社員に貸し出すところも少なくないといいます。

法人で自動車のリース契約を結ぶことの一番のメリットは、リース料を経費で落とせることです。

法人税法により、リース料金は会社の必要経費のうち、利益を生むための損失を生む金額だと認識されますので、リース料金に税金はかかりません。

そのため、購入するよりも、経費を抑えることができるのです。

これが社用車をリースする一番の理由です。

個人利用もメリットが目的

所有することから使用することへ価値をシフトさせた新しい方法が、個人での自動車リースです。

新しい車にどんどん乗り換えたいという人にとって、自動車リースは魅力的です。

魅力的な新車を契約期間中に楽しんだ後、契約期間満了時にはまた次の新車に乗り換えることができるのです。

中には、自動車を購入して、今だ新車と呼べるうちにその車を中古で売却し、その資金をもとにして、また新しい自動車を使うことを繰り返している人もいます。

しかし、多くの自動車リースには所得税・重量税・自賠責保険などの登録に際しての諸費用がリース料金に含まれています。

また、自動車税、車検・点検にかかる費用、も含まれているので、購入するよりも、リース契約を結んだほうが手続きが簡単になるのです。

コピー機(複合機)のリース

ここでは、企業の仕事場で使われるリース物品の代表的なものとして、コピー機(複合機)を紹介します。

複合機とは、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファックスの4役を1台で賄うことができる、オフィスに欠かせない機器です。

仕事場の省スペース化や節電に効果があると、リース取引の物品としても需要があります。

使用方法に最適な1台を

複合機を購入するよりも、リースを選ぶ理由が、何台もの複合機を試して、使用方法に一番合った複合機を探したいためです。

いったん購入すると、購入時に一括して、まとまった金額を支払うことになります。

そのため、使用し始めてから、機能面に不満を持ったとしても、そう簡単には買い替えを検討することはありません。

リースされる複合機

しかし、リース取引を選ぶと、契約期間が終わった後には、また新しい複合機を選ぶことができます。

たとえ、以前に使っていた複合機に機能面の不満があったとしても、使用状況や仕事の仕方に合わせた最適な複合機を選ぶことができるのです。

リースを繰り返して、不満がない一番オフィスにとって使いやすい複合機を見つけた後には、リース会社と話し合って、リース契約が切れた複合機を安価に買い取ることもできます。

以上の理由で、複合機をオフィスに導入しようとする会社が、購入するのではなく、リース契約をすることを選択しているのです。

パソコンのリース

リース取引に使われる物品にはどのようなものがあるのでしょうか。

有形のものには、パソコン、自動車、コピー機、医療器械、飛行機などがあります。

無形のものには、ソフトウェアがあります。

ここでは、日本の会社で多く使われているパソコンのリースについて紹介します。

初期費用を軽減できる

会社で使用するパソコンを購入するのではなく、リースすることを選ぶのには、どのような理由があるのでしょうか。

第1に、初期購入費用を軽減するためです。

購入したパソコンを仕事で使うようにするには、中にいろいろなソフトウェアを入れるなど、実務で使える状態にするために手間と時間をかける必要があります。

つまり、パソコンを使って実務をしようとするには、パソコン本体を購入するだけではなく、ソフトやメンテナンスに気をつかわなければならないのです。

その点、多くのリース取引のパソコンには、契約時からパソコン本体を始め、必要なソフトウェア、メンテナンスの費用も含まれています。

そのため、結果として、購入よりもリース契約を結んだほうがお得なのです。

業務を円滑に

第2に、会社の仕事を円滑に進めるためです。

多くのパソコンは約5年で買い替えしなければならないと言われています。

その理由は、年月がたつにつれて使用しているパソコンよりも性能のいいパソコンが市場に出回るからです。

会社でのパソコンの処理スピードが上がると、それだけ仕事のしやすさも上がります。

そのため、リース契約期間が終われば、また新しいパソコンで処理能力を上げるということを繰り返すことが会社にとって利益を生むのです。

契約が終わったと同時に、使用していたパソコン内のデータはリース会社の責任で完全に消去されるので、セキュリティ面も安心です。

このような理由で、リース用のパソコンを使う会社が少なくないのです。