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通達から法令でのリース税制へ

最近まで整備されていなかったリース税制は、平成10年度の税制の改正によって、ようやく整備されました。
今では、法人税法がリースの取引を規定しています。

税制の不備

実は、リース関係の税制は最近まで整備されていませんでした。
平成10年度の税制改正で、「法人税法施行令」に、「リース取引」の規定が設けられるまでは、通達しかなく、国税庁長官通達で定められていました。
それには「リース取引に係る法人税及び所得税の取扱いについて」と、「リース期間が法定耐用年数よりも長いリース取引の税務上の取扱いについて」の2つの種類がありました。
これらの2つの通達が、リース取引に関する税務上の取扱いを規定していました。

税制の整備


しかし、リース取引の税務上の扱いが法的な根拠がないのは問題であるとして、平成10年度税制改正で、ようやくリース税制が法制化されています。
すなわち、国外にあるリース資産の減価償却方法を規定すると同時に、法人税法施行令でもリース取引を規定しています。

法人税法で規定

さらに、平成19年度税制改正で、リ一ス会計基準と税務との調整を図り、法人税法がリース取引を規定しました。
リース税制において、「リース取引とは、資産の賃貸借で、賃貸借期間の中途において解除をすることができないもので、賃借人が賃貸借に係る資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受することができると同時に、資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているもの、という要件をいずれも満たす取引のことをいいます。
これは、ファイナンス・リース取引にあたります。
リース税制は、リース取引を「所有権移転リース取引」と「所有権移転外リース取引」に分類します。
ユーザーは、所有権移転外リース取引のリース資産について、リース期間定額法にしたがって減価償却を行います。

消費税の取扱い

リース取引の消費税では、法人税と同じように、賃貸人から賃借人へのリース資産の売買とみなします。
つまり、ユーザーはリース取引をはじめた時点で、リース料総額でリース資産を譲り受けたと処理され、リース料総額にかかる消費税額を仕入れに係る消費税として処理します。

リースの会計基準

リース会社の会計処理はリース会計基準で行われています。
上場企業においても、リース取引の会計処理をリース会計基準に従って行っています。
リース会計基準は、それぞれの会計処理方法が定められています。
企業会計基準委員会は、平成19年3月にリース会計基準を公表しました。
このリース会計基準にしたがって、上場企業などの会社は、リース取引の会計処理を行います。

会計基準


リース会計基準では、リース取引は、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類されます。
ファイナンス・リースは、所有権移転ファイナンス・リースと所有権移転外ファイナンス・リースに分類されます。
そして、ファイナンス・リース取引以外のリース取引がオペレーティング・リースに分類されます。
ファイナンス・リースの会計処理方法は、売買処理をしますが、少額リース資産においては、賃貸借処理をすることができます。
また、オペレーティング・リースについては、賃貸借処理になります。

ファイナンス・リースの取引

ファイナンス・リース取引は、リース期間途中に契約解除できないリース取引や、リース物件からの経済的利益を実質的に享受でき、リース物件の使用に伴って生じるコス卜の実質的な負担になるリース取引の要件を備えたリース取引です。

所有権移転と所有権移転外

ファイナンス・リースは二つに分類されます。
所有権移転ファイナンス・リース取引と所有権移転外ファイナンス・リース取引です。
所有権移転ファイナンス・リース取引は、讓渡条件付リース取引、割安購入選択権付リース取引などです。
所有権移転ファイナンス・リース取引以外が、所有権移転外ファイナンス・リース取引です。
なお日本のリース取引は、所有権移転外ファイナンス・リース取引が中心です。