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非営利法人のリース会計

非営利法人もリースを利用する場合には、会計基準に従います。
従来、病院、学校、公益法人などの非営利法人に関しては、会計基準は整備されていませんでした。
しかし、非営利法人においてもリースの利用が広く行われていることから、最近になって公益法人に関しても会計基準お整備が進んできました。

病院

病院を対象にした会計基準を「病院会計準則」といいます。病院会計準則は、昭和40年に制定されました。
その後、企業会計分野における会計制度改革の進展にあわせて、平成16年に改訂されました。
その目的は、「すべての病院を対象に、会計の基準を定め、病院の財政状態及び運営状況を適正に把握し、病院の経営体質の強化、改善向上に資すること」となっています。
リース取引に関して、病院会計準則とリース会計基準との違いは、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引とを区分することは同じですが、ファイナンス・リース取引の会計処理方法が売買処理だけになっている点が、リース会計基準との違いです。

学校


学校法人を対象とした会計基準を「学校法人会計基準」といいます。
昭和46年に制定され、その後平成20年に改正をうけています。
学校法人会計基準では、リース取引においても一般企業の会計基準と同じ会計処理となります。
ファイナンス・リースでは売買処理、オペレーティング・リースでは賃貸借処理が行われます。

公益法人

公益法人を対象とした会計基準を「公益法人会計基準」といいます。
公益法人会計基準は、公益法人の活動状況の透明性を高めるための改正を受けました。
この改正によって、公益法人は、貸借対照表などの財務諸表を作成することになりました。
リース取引においても、一般企業の会計基準と同じ会計処理となります。
すなわち、ファイナンス・リースでは売買処理、オペレーティング・リースでは賃貸借処理を行います。

リースの会計と税制

設備を導入する必要がある場合、リースを利用する選択肢において、リース会社に関して適用される制度があります。
リースには、リース独自の会計処理方法や特別の税制に従います。

会計の場合


リース会計基準における資産の計上方法を説明します。
所有権移転ファイナンス・リース取引と、所有権移転外ファイナンス・リース取引とでは、扱いが異なります。
すなわち、リース会社は、所有権移転ファイナンス・リース取引についてはリース債権として、所有権移転外ファイナンス・リース取引については、リース投資資産として資産に計上します。
それから、次の3つの方法で会計処理を行います。
リース取引開始日に売上高と売上原価を計上する方法、リース料受取時に売上高と売上原価を計上する方法、売上高を計上せずに利息相当額を各期へ配分する方法という3つの方法のうち一つを選択して会計処理を行います。

税制の場合

リース税制では、リース会社がリース取引に関して、リース讓渡を行ったものとされます。
すなわち、長期割賦、販売等として所得の計算をします。
そのため、リース料収入は売上として計上するので、益金となり、売上原価を損金に算入できます。
リース会計基準の適用をうけるリース会社は、利益が前倒しになることから、税務上、利息相当額部分を20パーセントにして、所得の計算をすることを選択することが、特例で認められています。

リースの会計基準

リース会社の会計処理はリース会計基準で行われています。
上場企業においても、リース取引の会計処理をリース会計基準に従って行っています。
リース会計基準は、それぞれの会計処理方法が定められています。
企業会計基準委員会は、平成19年3月にリース会計基準を公表しました。
このリース会計基準にしたがって、上場企業などの会社は、リース取引の会計処理を行います。

会計基準


リース会計基準では、リース取引は、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類されます。
ファイナンス・リースは、所有権移転ファイナンス・リースと所有権移転外ファイナンス・リースに分類されます。
そして、ファイナンス・リース取引以外のリース取引がオペレーティング・リースに分類されます。
ファイナンス・リースの会計処理方法は、売買処理をしますが、少額リース資産においては、賃貸借処理をすることができます。
また、オペレーティング・リースについては、賃貸借処理になります。

ファイナンス・リースの取引

ファイナンス・リース取引は、リース期間途中に契約解除できないリース取引や、リース物件からの経済的利益を実質的に享受でき、リース物件の使用に伴って生じるコス卜の実質的な負担になるリース取引の要件を備えたリース取引です。

所有権移転と所有権移転外

ファイナンス・リースは二つに分類されます。
所有権移転ファイナンス・リース取引と所有権移転外ファイナンス・リース取引です。
所有権移転ファイナンス・リース取引は、讓渡条件付リース取引、割安購入選択権付リース取引などです。
所有権移転ファイナンス・リース取引以外が、所有権移転外ファイナンス・リース取引です。
なお日本のリース取引は、所有権移転外ファイナンス・リース取引が中心です。

リースにかかわる会計

リース取引に関連する会計を理解するために、世の中の会社がどのような会計制度に基づいているのか、理解しておきましょう。

また、リース取引が、一般的な会社の会計とはどのように違うのか、その違いを理解しましょう。

トライアングル体制とは

日本に特徴的な会計の体制に「トライアングル体制」というものがあります。

これは、日本に存在する会社はすべて、会社法・金融商品取引法・税法の3つを守らなければならないことを表しています。

会社法は、会社の会計にとって必要不可欠な貸借対照表、損益計算書を書く時に必要です。

貸借対照表は会社の資産がどのくらいあり、また負債がどのくらいかさんでいるのか、会社の財務状況を示すものです。

損益計算書は、会社の支出と収入を照らし合わせて、最終的な利益を算出するためのものです。

金融商品取引法というのは、証券市場において取引をしている上場企業が守らなければいけないルールです。

税法は、会社が利益を出し、社会に影響を与える存在である以上、守らなければならないものです。

会社を経営していくときにも、上場企業として証券取引所で売買をするにしても、課税の対象から外れることはありません。

この3つの法律が密接にかかわりあって、会社の会計は成り立っているのです。

リース契約にかかわる法律

リース取引における会計体制を紹介します。

会社法には「リースにより使用する固定資産」に関する規定があります。

金融商品取引法には、リース取引をする会社がどのような財務諸表を書けばいいのか、その規定があります。

税法については、金融商品取引法に基づいてきちんと財務諸表を作成すれば、いちいち法人税や所得税の申告をする必要はありません。